小児科専攻医プログラム連携施設
帯広協会病院
メンバー
青柳 勇人 | 副院長 | |
松岡 恵(非会員) | 主任医長 | |
渡邊 さやか | 主任医長 | |
濱田 詩織 | 医長 | |
遠藤 愛 | 医長 | |
菅 峰久 | 医師 |
伊藤 ゆたか 医師
大浦 果寿美 産休中
医長より
子供の可塑性ってすごいですよね。新型コロナに対する、成人と小児の症状の差を見るにつけてそう思います。子供にとってはどの病原体も新興感染症。全てではないにせよ新規ウイルスを難なく捌いていく子供の免疫機構に感心します。これまで風邪を引くことはどちらかと言えば「悪」で防止する対象として見ていましたが、いろいろな風邪を子供の頃に引いていたから、大人になったときに丈夫でいられる、と風邪を引くことのメリットを見直しました。怪我をしない程度にいろいろな経験をさせることの重要性は、子育てのみならず、免疫機構の育成にも当てはまるのでした。そうは言っても基礎疾患を持つ子供の感染はハラハラしますね。保育園デビューともなると入院機会が増えそうで、心の狭い私はいい顔ができなかったのです。しかし、いつまでも純粋培養ではだめだよな、と頭でしか理解できていなかったフレーズが実感を持つようになりました。悟りは不完全で、心の不安が表に出ないように努力して「家庭外の生活も大事ですよね」などと言ったりしています。年をとると嘘がうまくなるものです。小児科医の仕事の大部分は「見守ること」ですかね。問題の解決は子供自身がしているようです。自分の子供がそろそろ独立するので、そうなったら犬や猫を飼いたいと妻は盛んに言うのですが、心配しなければならない子供たちがこんなにいるのに、これ以上生き物の心配をするのはごめんです。今のところは。
青柳 勇人
専攻医・後期研修医より
帯広には主な小児科として協会病院と厚生病院があり、帯広市だけでなく周辺の市町村を含めるとかなり広範囲をカバーしています。そのためか外来患者が非常に多く、協会病院の特徴の一つになっています。頻度の高くない疾患も多く経験できますし、commonな疾患も症例が多いとuncommonな経過や症状の患者さんと出会うことがあり非常に勉強になります。専攻医では比較的珍しく午前中の一般外来も担当させてもらうことが出来ます。普段の主な業務である病棟管理とはまた違った視点や能力が要求されるので苦労しますが早めに経験出来て良かったと感じています。ICU管理を要する様な症例は厚生病院に依頼することになり最後まで見届けられない場合もありますが、逆にどこまで自分達で診るべきか、いつ搬送するべきかを判断しなければいけない難しさがあります。
また専攻医としては周りのスタッフに非常に恵まれていることも感じます。上級医の先生方や看護師の方々はいつも私達の診療を見守ってくれて、至らない点があれば指摘してくれるので伸び伸びと学んで患者さんと向き合うことが出来ます。また検査技師の方々はいつも快く教えてくれるので、エコーの時は隣で解説付きで画面を見て、培養検査を出した時はGram染色を見ながら、レポートや検査結果画面だけでは分からない事を多く教えてくれます。
あと帯広はとてもいい所です。時折暑くなり過ぎることもありますが十勝晴れというだけあり天気が良く晴々とした気分になります。食べ物も豚丼だけでなくおいしいお菓子もたくさんあります。私は帯広協会病院で毎日非常に充実した日々を過ごしていますので、是非後輩達にも研修先としておすすめしたいです。
長谷河 昌孝
十勝には2つの総合病院小児科があり、帯広市と周辺市町村を含めてかなり広い範囲をカバーしています。コロナ渦においても治療を必要とするお子さんは変わらず沢山おり、毎日様々な症例を経験させて頂いております。
当院は一般小児をみる機会に非常に恵まれています。Common diseaseに関しては多くの症例数を経験し、小児科医としての感覚を身に着けることができます。専門的な疾患であっても、上級医の先生方や大学の先生方へご相談しつつ、急性期治療から退院後の長期フォローアップまで経験することができ、とても勉強になります。また、NICUがないといっても新生児対応はそれなりにあります。重症例はお隣の厚生病院へ搬送し治療をお願いしていますが、軽症から中等症であれば当院で入院加療を行っています。
院内はアットホームな雰囲気で、他部署との垣根が低く、小児科だけで診断・治療を完結できない場合は、他科の先生方や検査スタッフの方々へ気軽に相談させていただくことができます。上級医の先生方やコメディカルの皆さんはいつも温かく見守ってくださり、至らない点はしっかり指導して下さるので、安心して診療にあたることができます。丁寧なご指導を頂ける環境は、専攻医として非常に恵まれていると感じています。
小児科は大変だ、という言葉をよく耳にします。そういった印象で、小児科へ進むことを躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。私は、今年度で小児科専攻医として3年目になりました。確かに大変なことは沢山ありましたが、お子さんの笑顔に触れ、その成長を親御さんと一緒に喜ぶことができる楽しさは、それ以上に嬉しいことでもありました。十勝は農業・酪農が盛んな土地で、美味しい食材がたくさんあります。周辺のお菓子屋さんには見た目も楽しいスイーツがよりどりみどりですので、ちょっと疲れたなというときにはおいしくリフレッシュすることができます。小児科に決めた!という方も、まだ迷っているという方も、ぜひ一度見学・研修にいらしてください。イメージが変わるかもしれません。皆さんと一緒に働くことができる日を、心より楽しみにしています。
山本 朝日
当院と帯広厚生病院で十勝の小児医療を担っており、偏りなく多くの症例を経験することができます。呼吸器管理が必要であったりNICUへ入院適応のある患者様は厚生病院へご紹介することが多いため重症例を最後まで診療する機会は少ないですが、その分、文献検索に時間を割いたり1つ1つの症例にしっかり向き合うことができるかもしれません。中には難治例や診断に苦慮する例もありますが、指導医の先生方がいつも気にかけてくださりとても相談しやすい環境になっています。退院後のフォローはもちろん、前任の専攻医から引き継いだ長期フォローの患者様の外来診療を任されることもあり、入院治療とはまた違った考え方が必要ですので大変勉強になりました。また、患者様の家庭内環境も多様性に富んでいる印象で、小児科医としてはそれぞれの状況に応じて患者様・ご家族と信頼関係を築いていくことはとても貴重な経験になるかと思います。
十勝は空が広く緑に恵まれ、特に夏は景色が良いので、当院に就職する際はぜひ車の購入をご検討ください。冬は札幌と比べて雪が数なくとても過ごしやすいです。有名なお菓子のお店がいくつかありますが、帯広市内のスーパーの中に店舗を構えていることが多く驚きました。当科で有意義な研修生活を送っていただければと思います。
安部 樹太郎