学生・研修医の方へ

　旭山動物園と冬の寒さで有名な旭川の市立病院です。
　コロナ禍当初から、旭川市内・近郊の新型コロナ小児を一手に引き受けてきた当科ですが、今年に入る頃からコロナ対応に追われることも減ってきました。この春からはふつうのカゼも増えてきて、「いつもの小児科」がもどってきたと感じています。
　旭川の小児医療は、一次救急・二次救急（そして三次救急）の役割分担がしっかり機能しており、救急担当日は市内の救急を一手に引き受けるため多忙になりますが、それ以外の日はしっかり休むことができます。野戦病院のように多忙が続いて体調をくずしたり、心を病んでしまう、といった心配とは無縁です。無理をせず、メリハリのある診療（研修）が当科の目標の一つです。
　といっても、症例がないということではありません。当科では、市内開業の先生方から多くの患者が紹介され、小児科研修で必要な疾患を診ることが可能です。数をたくさんみることも大事ですが、個々の症例にじっくりと時間をかけて取り組むことが、みなさんの医師としての成長に大切なことだと考えています。
　当科の特徴として、従来から、循環器疾患をひとつの柱としていることがあげられます。残念ながら、現在は、当院では先天性心疾患の手術は行われておりませんが、北大小児科循環器グループや旭川医大小児科などとも連携し、小児先天性心疾患や川崎病だけでなく、成人先天性心疾患などの診療も行っております。
　また、当院は、市内で唯一、精神神経科のある総合病院で、精神科の思春期外来も開かれております。興味がある先生には、児童精神科の勉強をしていただくことも可能です。みなさんとご一緒に小児科の診療ができることを心待ちにしております。

市立旭川病院小児科　中嶋　雅秀