当科の紹介

研究

木村 修平 先生旭川医科大学 2014年(平成26年)卒業

地元が北海道であり、道内でキャリアを積みたいと考えていました。幅広い経験をするには道内に多く関連施設のある北大小児科が最適と考え、入局を決めました。実際に、道央だけではなく道内全域の病院で勤務し、様々な疾患を経験することが出来ています。また、多くの稀少疾患や新規治療・治験に携わる機会にも恵まれており、北大小児科に入局を決めた自分の判断が誤りではなかったと確信しています。北大小児科は10個の専門グループに分かれていますが、各分野のスペシャリストへ気軽に相談出来る点も良い所だと感じています。

ミトコンドリア病のモデルマウスを用いて、有効な治療法がないかどうかの研究をしています。実験開始当初はなかなか病態モデルマウスが増えなかったため、先に進むことができませんでした。実際に始めてみると予想とは違う結果が得られたり、新たなアイデアが浮かんだりと、日々刺激のある実験になっています。密に指導を受けており、指導教官以外からもご意見を頂く事があるので、袋小路に迷い込む事がない環境で充実しています。

研究は終わりなき旅に例えられることがしばしばあります。旅には出会いが付き物であることと同様に、研究にも新たな発見が満ち溢れています。毎日同じ作業の繰り返しで辛くなることもありますが、ちょっとしたことをきっかけとして、新たな着眼点に到達できた時はエンドルフィンの分泌を感じることが出来るかもしれません。その結果が難病治療の一端を担うことになるのなら、どうなってしまうのでしょう?北大小児科では様々なテーマで研究を行っています。先生方の興味を惹くものがきっと見つかると思いますよ!

実験施設と優秀な実験助手

佐藤 逸美 先生札幌医科大学 2013年(平成25年)卒業

Youは何しに北大小児科へ?

新生児科医になりたくて小児科を志したので、研修病院のほとんどにNICUがある北大小児科を選びました。実際、小児科1年目を除き大学院生として大学に戻るまでの5年間は全てNICUがある病院に勤務し一般小児とNICU業務両方に携わっていました。

その後は縁あって大学病院の小児循環器班に所属し、優しくて厳しい上司や先輩方に小児循環器と基礎研究のご指導を賜っています。

どんな研究をしていますか?

北海道大学薬学部薬剤分子設計学教室と当科循環器班の共同研究として、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の疾患モデル動物を用いてミトコンドリア機能への介入によるDMDの進行抑制について研究しています。また、その研究過程で正常骨格筋ミトコンドリアへの薬物送達や機能活性化についても研究を行い、そちらについても廃用症候群やアンチエイジング等への応用を検討しています。

研究に関心のある先生へ一言お願いします

学生の時、基礎研究は難しすぎて私には無理だと早々に選択肢から消えました。
医師になってからも、臨床一辺倒で基礎論文も英語も統計も大の苦手で一生避け続けるつもりでした。

そんな私でも現在、日々実験を行い、英語論文を漁り、苦手なりに一生懸命研究データを統計解析しています。自分の人生で、日本の最高学府に研究のために単身でお邪魔したり、基礎研究で国際学会に行ったりする日が来るなんて全く想定していませんでした。でも何だか楽しいほうに転がり続けています。このようなきっかけと機会を与えてくれた上司には感謝しています。

北大小児科には臨床研究や基礎研究、社会医学含め様々な分野の研究者でもあり臨床医としてもスペシャリストである先生が多く在籍し、他大学や他学部、他科との共同研究やコラボレーションも多くあります。少しでも研究に興味があれば、まず一歩足を踏み入れてみて下さい。臨床だけでは見ることが出来ない世界が一気に広がると思います。

Euromit 2023 (2023/6/11-15 Bologna, Italy)にて

サン・ペトローニオ聖堂

齋藤 祐介 先生宮崎大学 2002年(平成14年)卒業

Youは何しに北大小児科へ?

いつか故郷の北海道で小児科医として働きたいと思っていました。北大小児科のホームページにある「短期間でも北海道で働いてみませんか?」というメッセージと素敵な北海道の写真の数々でその思いが抑えられなくなっていました。北海道で働くにあたり様々な配慮を頂き、小樽市立病院という素晴らしい病院で勤務することができました。さらに、北海道で小児科医として勤務する傍、これまで続けてきた研究を発展させる機会にも恵まれ大変感謝しております。2023年4月からは北大病院のがん遺伝子診断部に勤務し、医師22年目ながら新しい挑戦の機会を頂きました。

どんな研究をしていますか?

これまで15年間は難治性白血病が治る時代を目指して研究を続けています。白血病幹細胞に対する抗体療法、白血病細胞のエネルギー代謝を標的とした新規低分子化合物やドラッグリポジショニングさらには、がん細胞の解糖系を標的とした治療開発などを行なっています。残念ながら、いずれも未だ患者さんに届けるには至っておらず道半ばの状態です。

研究に関心のある先生へ一言お願いします

こどもを苦しめる疾患は憎らしいほど強敵で、臨床の現場で無力感に苛まれたことがあると思います。しかし、誰もがその疾患の病態を明らかにし、治療法を開発する権利を持っています。一人で成し遂げることができなくても、情熱と想いを受け継いでいくことでいつか必ずその疾患を克服できると信じています。是非、挑戦への最初の一歩を踏み出してみてください。