育児との両立(男性医師編)
大畑 央樹 先生弘前大学 2011年(平成23年)3月卒業

- 出身が北海道であったため、北海道で小児科医として仕事をしたかった。
- 後期研修を独自で就職活動を行い、他院で採用してもらえていたが、3年目に人事調整が難航していたところ、北大小児科に移行の研修体制を整えてもらえたため。

仕事で家を離れているときはどうしても妻に任せっきりになってしまいます。そのためGo Home Quicklyの精神で、できるだけ時間外労働にならないよう日中のうちにできることは進めてしまい、早く帰宅するように意識しています。
帰宅後や休日は一定時間めいっぱい構います。構いすぎると私がいないときに同じことを妻にしてもらおうとするため妻へ負担がくることと、長すぎると私も疲れて休めないので、ある程度時間を決めています。昨今のご時世でなかなか大変ですが、子供を外に連れ出して、目の届く範囲でしっかり体を動かしてもらい大人は休むという裏技も使ってます。欠点は我が強すぎてなかなか終了といっても聞いてくれず駄々をこねられず妻の雷が落ちることです。
今年度からは幼稚園にも入園したので習い事もさせつつ、習ったこと・やってきたことを尋ね、答えられないときは思い出せるよう促すこともしています。悲しいことに(宿命かもですが)自閉傾向がまずまず強いので自分の話したいことだけしゃべって、質問への返答がかえってこず、これだけで数時間かけることもあるのですが・・・
上でだらだら書いてしまいましたが、基本的には妻の負担を減らしつつ、しっかり子供とスキンシップをとるということを重点に置いています。
ただもちろんこれは私だけではなしえないことです。休日の学会や研究会があれば、子供が割り込んでこないよう妻がサポートしてくれます。そして長期出張などで家を空ける際には母方祖父母・父方祖父母の力も借りています。その際はお礼をしつつ、互助の精神で今のところなんとかやってこられているのかなと考えています。

小児科を志す人に子供が嫌いという人はいないと思っています(偏見?)。なので基本的に育児というものは子供と接していろいろなことをするので、楽しいと思ってもらえると思います。もちろん楽しいだけではなくいろいろ苦労もあります。本で読んだことや患者さんから相談されていたことだけではない、さまざまな不安や問題にさらされることもあります。正直それが気になって仕事が手につかなくなることもありました。ただその苦労もその時だけで後になってはいい思い出になるかもしれないですし、なによりその経験は実臨床でかなり役立ちます。患者さんの親御さんとお話をするときに実体験をもとに話すようになったので、より説得力が出たと私自身は感じています。
正直仕事で疲れたから構うのしんどいってこともなくはないですが、その辺りは奥様や周りの方々と相談をお願いします。なにより育児の一番の功労者である、奥様を大切にしてあげてください。

佐々木 大輔 先生岩手医科大学 2008年(平成20年)卒業

もともと北海道出身で大学卒業とともに戻ってきました。北大小児科へは研修医のローテーションで研修した際に、やりがいを感じ、北大小児科に進むことにしました。

妻(医師)と共働きで子育てしています。私自身の仕事内容から、育児については妻の負担がかなり大きいと感じています。また、双方共に祖父母などの親族が近隣に住んでおらず、簡単に子供を預かってもらうことなどが難しいため苦慮しています。少しでも家事負担などを減らすために、家事代行サービスの利用、家電の充実化を図るなどの工夫をしています。子供の送迎には、移動支援ヘルパーやタクシーによる移動支援の利用を行っています。その他としては、子供が病み上がりの時期には病児保育の利用、通園している保育所・幼稚園での預かりが難しい場合には他の保育所で行っている一時預かりの利用もしています。また放課後デイ・アフタースクール・ミニ児童会館の利用、シッターの利用など、考えられる社会資源を、目いっぱい活用しています。

共働きで子育てをする以上は、仕事も完璧、家事も完璧、育児も完璧という理想を実現することは不可能です。仕事、家事、育児を共働きで行うには、周囲の協力と理解および、社会資源の活用が必須であると思います。ある一定のところまでとして完璧を追わず、そして考えすぎて精神的・体力的に追い詰められないように妥協をすることが必要だと思います。大変ですが、楽しくやっています。