当科の紹介

関連病院ではたらく

瀬越 尚人 先生北海道大学 2019年(平成31年)卒業

2019年に北海道大学を卒業しました瀬越尚人と申します。
進路についてですが、学生時代に小児科医になろうとは(実は)ほぼ考えておらず、研修医2年目の5月に決めました。初期研修病院は、子どもからお年寄りまでたくさんの救急患者が受診する地域の中核病院でした。子どもの場合、ほとんどが軽症患者であるのは事実なのですが、一部の重症患者をトリアージする能力や、入院した子どもたちが元気に退院して行く姿に、本能的にやりがいと楽しさを覚えたのがきっかけです。その他にも、一般診療に加えてサブスペシャリティを持てることや、公衆衛生や予防医学などの社会的な側面に関わることができる多様性に魅力を感じました。
後期研修の進路については、学生時代から北大小児科への良いイメージはもちろんありましたが、まずはフラットに道外のこども病院や、北海道で独自の後期研修プラグラムをもつ市中病院に見学に行くことにしました。見学させていただいた病院も素晴らしかったのですが、北大小児科の雰囲気の良さと各分野の専門性の高さに惹かれ、最終的に母校小児科に入局させていただきました。

オホーツクの真ん中に位置する北見赤十字病院で小児科医1年目がスタートしました。
当二次医療圏の中で、小児科を有する最大規模の総合病院であり、NICUを保有する唯一の病院です。そのため感染症に始まり、心疾患、血液疾患、免疫疾患、神経疾患、腎疾患や内分泌疾患、新生児まであらゆる領域を担当します。もちろん稀な疾患や重篤な疾患の患者さんについては大学病院などに転院を依頼することもありますが、基本的には全疾患とまず向き合うことになります。地方では、私たちはGeneralistであることを強く認識させられます。同時に小児科医1年目の私にとって、このように症例のシャワーを浴びることができる環境は、この上ない向上の場と言えます。また上級医・後期研修医の先生方も非常に指導熱心で、「なんとなく気になる子がいます」「ルートがとれません」など、どんなに小さなことでも相談しやすく、非常に恵まれた環境だと日々実感しており、当院の大きな魅力だと考えています。
仕事以外にプライベートな話も少し。現在は月に2回は完全フリーな週末を頂いています。休みには、知床や網走、屈斜路湖などオホーツクの広大な自然を満喫しに車を走らせます。こんな贅沢な休日の過ごし方ができるのも、関連病院で働く一つの楽しみと言えます!

小児科医としてスタートしたばかりですが、すでに小児医療の面白さにどっぷりと浸かっています。疾患分野や重症度にこだわることなく様々な病態を経験できること、子どものためとあらばコメディカルと連携し時として保護者ともひとつのチームになれること、未来ある子どもたちの成長に寄り添えること、などなど・・きっと魅力がたくさんあります。
北大小児科には、各分野にプロフェッショナルな先生方がいらっしゃいます。北海道という地域に根ざしながら、広く大きな世界を見せてくれる医局だと思います。
北大小児科の仲間になっていただけることを心待ちにしています。

髙畑 明日香 先生北海道大学 2016年(平成28年)卒業

北海道出身で、自分の出身大学だったということもあり、北大に入局しました。グループがたくさんあり、入局してからもやりたいことを選べるのと、道内の主要な町にNICUを擁する関連病院が複数あり、新生児を含めた様々な経験を積めそうなのが決め手でした。

市立札幌病院では小児科と新生児内科があり、現在は新生児内科医としてNICU専従で働いています。札幌や近郊のハイリスクな妊婦さんが集まっている施設であり、超低出生体重児の診療の経験をたくさん経験しています。オンオフははっきりしており、夜は当直の先生にお願いして帰りますし、土日の当直に当たった場合には、平日に休日をとっています。当直中も困ったときには電話で上司に相談させてもらったりしています。後輩の先生も乳児を育てながらNICUで働いています。小児科は先輩や後輩から、症例数はそこまで多くはないものの、比較的重症な患者さんが入院することが多く、勉強になると聞いています。

北大小児科の特徴は地方と大学でバランスよく経験値を積むことで、一般診療の経験もしながら専門性の高い疾患の診療についても学べることだと思います。また、全ての専門分野が揃っており、緊急時にも快く相談に乗ってくださる先生が多いです。特に札幌以外では最後の砦として患者さんたちを診療しており責任もやりがいも大きいと思います。ヘリや飛行機、救急車で先天心疾患などの手術や緊急的な加療が必要な患者さんなどの広域搬送(300km程度、東京-名古屋間に相当します)も経験します。忙しくないとは言えませんが、今まで若手が多い病院で働くことが多かったので、同期や年次の近い先輩後輩と助け合いながら働いていました。また、地方の病院では学校医や市町村の健診などの公的な仕事を行ったり、要保護児童対策地域協議会などの市町村の会議に主治医として出席したりもします。興味によってもいろいろな働き方ができるかなと思います。

戸澤 雄介 先生北海道大学 2007年(平成19年)卒業

北大を卒業し、初期研修を釧路赤十字病院で2年間行った後、小児科医を目指す時に、新生児医療や小児科各領域をバランス良く研修できるカリキュラムがある北大小児科を選びました。出身大学というのもありますが、北大小児科の関連病院は全道を幅広くカバーしており、専門領域研究グループの幅広さから迷う事はありませんでした。入会後道内各地で1-2年くらいずつ研修し、北大大学院に入学し免疫班に所属しました。学生時代から、免疫学は難解でついつい敬遠してしまう分野でしたが、後期研修で様々な指導医の先生方との出会いと、難治ながらも治療に導くことができた免疫不全症患者さんとの出会いなど、様々な要素が重なって、免疫を専攻する事にしました。

北大免疫班での日々は目まぐるしく過ぎて行きました。はじめは班内の議論の内容が全く分からず途方にくれましたが、諸先生方のご指導のおかげで理解を深める事が出来ました。専門書の執筆や、国内の診療ガイドライン策定にも関わる事ができ、いつもそれらの情報を利用する側だったのが、どのような考えで専門書やガイドラインは書かれるのかという編集過程を体験できたのは有意義でした。研究(実験)は結果が出ずに苦しい時期もありましたが、新しい知見を発見した時の高揚感も感じることができました。論文をまとめ、学位も取得でき、2020年に大学院を卒業した後に、釧路赤十字病院に転勤する事になりました。

釧路日赤は釧根地区の小児医療拠点病院です。総合周産期母子医療センターの認定も受けており、管内の早産児や高度治療を要する新生児なども集まります。小児科医は9名でスタッフと専攻医はほぼ半々です。私は臨床業務として、毎日の午前一般外来と水曜日午後の免疫外来を担当しています。釧路地区は優秀で経験豊富な開業医の先生方に支えられており、当院の一般外来を受診する患者さんは極端に多くは無いのですが、受診する時は相応の理由を抱えて来院されるため気は抜けません。一般感染症、健診からの紹介、肌荒れ、アトピーなどの皮膚の相談が多いです。食物アレルギー、起立性調節障害などの心身症、不登校の受診も比較的多く、これらの場合は一般外来ではどうしても時間がかかるため、問診票などを活用して効率よく診療出来ないか思案しています。免疫外来は、周期性発熱、膠原病、アレルギー疾患のフォローが主です。膠原病では昨年も近医と当院整形外科からJIAの患者さんをご紹介頂きました。大学で培った専門知識を活かして、これからも地域での専門医療に貢献していきたいと思っています。また、一般外来患者のフォローアップも必要で、週一日の再診枠では足りず、他の日も空いた時間を調整して診ています。

小児科は伝統的に屋根瓦方式の教育体制を取っており、若手専攻医を2, 3年目の専攻医が指導し、さらにスタッフが指導するという形です。ほぼ毎日カンファレンスで、情報や問題点の共有や治療方針の検討を行い、専攻医が不安なく診療できるような体制を取っています。また、重症な患児が入院した際には科内一丸となって診療に当たる事もあります。

個人的な懸念として、大学院では免疫疾患の診療に専門分化していたため、例えば超低出生体重児等の対応などはしばらく遠ざかっており、赴任に際して不安がありましたが、当院の新生児が専門の先生に配慮頂き、重症新生児が出生する際には適時サポートを頂いており、不安なく日々の診療に取り組めています。


釧路は北海道のほぼ東端にあります。世界三大夕日の一つと謳われる釧路の夕日は幣舞橋から眺める事をお勧めしますが、勤務の合間に見える夕日も色鮮やかで壮大です。夕日を眺めていると、思い煩っている事の小ささに気づき、前向きになれる気がします。また、世界自然遺産に認定されている釧路湿原も人気があります。大自然の中、カヌーを楽しむこともできます。温泉がお好きという方は、1時間以内で行ける阿寒湖温泉があり、他にも中標津や川湯など目移りするほどたくさんの温泉があります。また、本州(埼玉)出身として強調したいのは、夏でも冷涼な気候です。最高気温が25℃を超えるのは1-2週間程度(この文章を書いている2021年はいつになく暑いですが)で、夜はしっかり20度以下に下がります。40℃近くの炎天下に茹だる他地域のニュースを見るたびに、釧路で良かったと再認識します。冬はもちろん寒いのですが、意外と降雪量が少なく、雪掻きに奮闘するのは年にわずかしかありません。釧路はまた、日本のロンドンとも形容される霧の街です。街並みがわずかな間に霧に包まれる様子は幻想的です。釧路空港もたびたび霧に包まれて交通障害が発生するのが玉に瑕ですが…。総じて釧路の気候は気に入っています。

釧路は味覚の宝庫でもあります。豊富な海の幸が釧路港から水揚げされ、四季折々の海産物が楽しめます。サンマは、焼いてもおいしいですが、鮮度を活かして刺身にしてもおいしいです。カキで有名な厚岸も車で1時間くらいで行けます。

広大な北海道において、小児科医はまだまだ足りません。興味をお持ちの先生がいらっしゃいましたら是非ご参加頂ければ幸いです。