当科の紹介

学士編入の経験者

信田 大喜子 先生旭川医科大学 学士編入 2012年(平成24年)卒業

私は元々生物が好きで、一番身近な生物はヒトだったので人体にまつわる勉強をしたい、と高校時代に思っていました。そこで家から通える国立大学で医療系のところで選び、東京医科歯科大学の医学部臨床検査学専攻を修めました。その専攻でも実施した検査が真の結果かエラーなのか判断するために疾患について軽く一通り学びますが、医学科ほどは深く学ばないため常に中途半端な気がしていて、満足できませんでした。医科歯科を卒業時に研究室で研究をする人生と、医学をさらに学ぶための学士編入と迷って、卒業研究でお世話になった講座の教授に相談したところ、研究室で研究をしながら受験勉強させていただけることになりました。残念ながら母校である東京医科歯科大学は当時、人工臓器開発などを目的に理工学部系の学士編入者を求めていたため、東京医科歯科大学ではなく臨床医を育てる事を目標にしている旭川医科大学を受験し無事入学する事が出来ました。

国費を投入して医学教育を受けさせてもらうので、税金を払ってくれた皆さまに恩返しをしたいと、医学部を卒業したら臨床医になりたいと思っていました。東京で初期研修を始めましたが、ゆくゆくは北海道で臨床を行っていきたいと考えていたので、北大小児科入局を選びました。私は道外出身者なのではあまり北海道の地域性や特性を知りませんでした。しかし北大小児科で後期研修を行い、道内各地の関連病院で経験を積むことで、それぞれの地域の特性やニーズを知ることができました。

私は1つ目の大学を卒業した後、そのまま基礎系の研究室で研究をしていました。研究室に属した事がある人はご存じだと思いますが、教授の研究テーマがメインテーマになり、他のテーマは手薄になることが多く、教授の交代と共に研究テーマがガラリと変わってしまう事が珍しくありません。そのため、教授の研究テーマと自分の興味が合致しているか、自分の研究プランと教授の在任期間が合致するか検討しなくては途中で研究ができなくなってしまうという憂き目にあいかねない事もご存じだと思います。ですが、北大小児科はそれらの心配をあまりしなくても良いのです。
北大小児科は多岐にわたる診療グループが存在し、それぞれがテーマをもって独立して研究しています。他の大学・研究室ではあまり見られない体制だと思います。
つまり、入局時にまだ研究したいテーマが定まっていなくても、後期研修中に研究したいテーマを見つければそれに即したグループに入ることでそのまま北大で研究を行えます。また、後期研修中に教授が交代してしまい自分のやりたい研究テーマを選択できなくなるという事もありません。
それぞれのグループが様々な研究手法を用いて研究しているため、自分のグループでは経験のない研究手法も別のグループに教えてもらえたり、と幅広い研究手法を学べる点でも良い環境だと思います。
また、私のように研究ではなく今後は臨床で…という先生方にも北大小児科はおすすめします。なんせ道内各地に関連病院がありますし、後期研修医のうちに各地で修業を積む事になるので、若かりし頃過ごした研修病院に錦を飾る的な事が出来ます。かつて働いていた病院に出戻った時、以前一緒に働いていた、当時は若手だった看護師さんなどが、いまや指導者としてバリバリ働いている姿などは、とても励まされますよ。